JapaneseHowToReview
How to Tackle a Review を元に、日本語への翻訳の「レビュー」に取り組む際の手順・注意点を解説しています。
TED 翻訳に参加されたばかりの方は、まず翻訳からスタート してください。原則的に5本(×18分=合計約90分が目安)のビデオを翻訳または文字起こし(種別ごとにそれぞれ経験が必要です)して公開されるまでは「レビュー」タスクは取らないでください。
レビューとは、原文と訳文を付き合わせ、訳文が原文の内容を過不足なく反映しているか、自然な日本語で、字幕という制限の中で読みやすく誤解のないように仕上がっているかをチェックする工程です。 最低5本の翻訳が公開されたら、レビュータスクを取って公開に協力してあげましょう。
レビューとはどういうことをするのか、まずはこちらの短いビデオをご覧ください。
この記事にあるガイドラインの他にも、 上手にフィードバックする方法(英語) や 差し戻しの有効活用法(英語) を参考にしてください。
タスクを選ぶ
- 注意:5本以上翻訳が公開され、レビュアー(や承認者)から得たアドバイスをじゅうぶんに飲み込むまではレビュータスクを取らないでください。
- Amara にログインし、タスクリストからトークを選んでタスクを確保します。
- 注意:Review Japanese subtitlesとついているタスクは、レビュータスクです。5本以上翻訳が公開されるとレビュータスクを取れるようになります。
- デフォルトで表示されるTEDトークの他にも色々な種類のビデオがあります。TED翻訳が初めての方は、TED-EdやTEDシリーズに多い、短めのビデオから取り組むと、公開までの所要時間が比較的短くなり、プログラムに素早く慣れ親しむことができます。
- TEDトーク:TED メインカンファレンスからのビデオ
- TEDxトーク:TEDx イベントからのビデオで、もとの言語や長さも様々
- TED-Edシリーズ:教育的なアニメーションを中心に、5分以内の短めのビデオが多い
- TED Translator Resources:TED 翻訳ボランティア向けの情報ビデオ
- TEDシリーズ:5分程度の短めのビデオが多い
- 内容・原文のタイプ・対象となる視聴者層・ビデオの長さ・難易度にも非常に幅があります。まず関心を持ったトークを2〜3回視聴して、自分に翻訳できそうかどうかを判断してから着手しましょう。
- 途中で「思っていたのと違った」「自分には難しすぎる」などと重荷に感じたら、負担を感じたまま無理に継続せず、自分に合ったタスクを改めて探し直すのも一つの手です。苦しい作業を継続しても時間と労力がもったいないですし、最初の訳がよくないと、後工程に関わる人々の負担になります。
- (FAQ | タスクの手放し方)
「翻訳」と「文字起こし」はそれぞれの種別ごとに経験が必要ですので、翻訳が5本以上公開されていないと「翻訳」のレビューは取れませんし、文字起こしが5本以上公開されていないと「文字起こし」のレビューは取れません。
レビュアーの役目
レビュアーの役割は、訳文の解釈が正確で、文法的に正しく、字幕ルールに沿っているように調整するだけにとどまりません。誤字、誤訳をくまなく探し、長さや表記の面で読みやすいか、視聴者が理解しやすいか、等の観点からも字幕をチェックし、修正提案を行いながら翻訳者と一緒に字幕を仕上げてください。 さらに、初心者や経験の浅いメンバーに手順や慣例を案内し、質問に答え、親切で建設的なフィードバック(こちら(英語ページ)のガイド参照)を与える「メンター(相談役)」を務めるという役割もあります。 大幅な修正が必要であると思われ、翻訳・文字起こし担当者に十分修正可能な点は、すべてを自分が直してあげるのではなく、タスクを差し戻して(こちら(英語ページ)のガイド参照)本人に作業してもらうというやり方も推奨されています。その際は、どのような手直しが必要なのか、どうやって直せばいいのか、具体的な指示を送りましょう。
- ヒント
- いろいろな事情で翻訳者とコンタクトが取れないことがあります。10日ほど待ってもメッセージの返信を受け取れない場合には、レビュアー判断で仕上げてください。
- 翻訳・レビューの観点をまとめたチェックリスト です。翻訳での見直しや、レビュー、レビュー後のフィードバックをするときの参考にしてください。
- コミュニケーションが成立した後の、実際のやりとりには、Amara エディター内の Team Notes 欄を使っていただいても結構です。(Amara エディターを開かないと返事ができないので、Send back することが前提になります)
- レビューのサンプルをご覧ください。
レビューのしかた
推奨されるレビュー手順
- まずは翻訳者と連絡をつけてください。このプロセスを円滑にするために、レビュータスクを確保した時点で、初めてやりとりする翻訳者の方に Amara でメッセージを送り、どのような方法でレビューを進めるかを相談することをおすすめします。その際に、10日ほど待ってもメッセージの返信がない場合にはレビュアー判断で仕上げる、など何らかの期限を明記しておき、万一連絡が来なかった場合、そこで行き詰まらずに先に進めることができます。Send back(差し戻し)は必ず、翻訳者さんとのコンタクトが成立してから行ってください。 慌てて Send back してしまい、翻訳者さんが対応できない場合、30日後には翻訳待ちのタスクに戻ってしまいます。こうなると、せっかくのレビューも翻訳も活きなくなってしまいます。
- トークを通しで視聴し、品質を検討します。あまりにも仕上がりが悪く、ほぼ全体を訳し直すことになってしまいそうな場合は、変更は入れずに翻訳者に差し戻し、どのような改善が必要かを説明して直してもらってください。レビュー可能な状態であれば、編集を始めます。
- よくある間違い(意味、誤字・脱字、不自然な表現、ガイドラインの表記ルールの逸脱など)を指摘し、修正します。字幕の順番に不都合が生じたり、全くの誤訳で書き直しが必要である場合を除き、なるべく元の文を残してあげましょう。
- 映像と合わせてチェックします。表現がひっかかったり、表示時間内に字幕を読み切れなかったりしたらビデオを止め、訳を直すなり短縮するなり改善していきます。読みにくい固有名詞、熟語表現、詩的表現など、読むのに時間がかかりそうな字幕の場合はさらに字数に余裕を持たせると視聴者に親切です。
- レビューを終了する前に、翻訳者との間でお互いベストだと納得できるバージョンに擦り合わせてください。
- 音声なしの字幕のみでトークを視聴して、もうこれ以上直しようがない、と思えたら、Approve ボタンを押して次の段階に進めます。自動承認対象のTED-Ed、TEDx(翻訳)ビデオに関しては、マージ(字幕の結合)も済ませてから承認に送ってください。
次のセクションで、レビューでチェックするべき内容を説明します。(翻訳で気をつける内容と同じです)
良い翻訳に仕上げるためのヒント
Contents
TED Style
(参考:TED Translators Guidelines「TED Style」関連項目)
- フォーマルよりもインフォーマル
- 改まった表現や学術的な表現よりも、普通の発表で使う表現を(不適切にならない範囲で)選びましょう。
- 現代で普及している言葉遣い
- トークで取り上げられているトピックの分野で実際に使われている言葉遣いを研究し、今現在普及している用語や表現を選びましょう。
- スピーカーらしさ
- 元のスピーチの雰囲気や流れに合わせます。機械的に直訳するのではなく、話し方に自然と表れるスピーカーらしさ、熱量、その人特有の語り口を見定め、できるだけ再現しましょう。
- 一般的な表現
- 日本語(共通語)でもっとも一般的に通じる言葉や表現を選びましょう。
- 慣用表現の訳し方
- 慣用表現は、逐語訳せずに、日本語の慣用表現で近いものを探しましょう。ぴったり当てはまる表現が存在しない場合は、原文ほどの味わいがなくなってしまうとしても、視聴者の混乱を招きにくい表現を選びましょう。
表記や体裁はガイドラインに沿っているか
TED字幕ルール早見表 | |
---|---|
字幕1枚の表示時間 | 1~7秒 |
1秒あたりの字数の上限 | 10 文字/秒 |
字幕1枚の行数の上限 | 2行 |
1行の字数の上限 | 21 文字 |
字幕開始タイミング | 発声から100ミリ秒以上先行しない |
改行位置 | 意味的なまとまりを切らない |
字幕1枚の行のバランス | なるべく均等に |
字幕の構成 | ある文の末尾と次の文頭を1つの字幕にしない
(一方が完結している短文なら良い) |
文の分け方 | 字数制限を超えない限り、1文を細かく分けすぎない |
音の表記 | (丸括弧で囲む)音情報は3秒を越えないようにしてください。 |
画面上の文字の文字起こし | [角括弧で囲む] |
句読点 | 読点の代わりに半角スペース、
句点の代わりに全角スペースを使う |
日本語表記ガイドライン や右の「TED字幕ルール早見表」に沿って体裁を整えてください。
- 読みにくい固有名詞、熟語表現、詩的表現など、読むのに時間がかかりそうな字幕の場合はさらに字数に余裕を持たせると視聴者に親切です。
原文の意味を正確に、過不足なく伝えているか
原文の意味を伝えているか?
スピーカーが伝えたいことは何でしょうか? 内容は明確にわかりますか? 自分が理解できているか、自分の言葉でも説明できるかどうか考えてみてください。
例えば慣用表現のように、原文に意味がはっきりとわからない点がある場合、勝手に推測したり、イメージでふんわり訳すと誤訳になりがちです。
検索をしたり、人に聞いたりして、スピーカーの言わんとしていることがしっかりと理解できるまで調べてください。
文化的背景のある事柄について
ジョークや商品名、企業名や著名人の名前などがこれに当たります。日本語字幕の利用者がすっと理解できるような表現を工夫しましょう。
- 補足
例えば、Xという人物が、アメコミ「Y-People」に登場するキャラクターとしてよく知られているとしたら、翻訳では「X氏」と名前だけを訳出するのではなく「Y-People のX氏」などと補足できるでしょう。
- 一般化
あるカテゴリーに属するものを説明する上で固有名詞に言及しているのであれば、一般名詞で訳出し、固有名詞を避けることも考えられます。
例えば、イギリスのファストフード Nando’s が話に出た場合、文脈によっては単に「ファストフード店」と訳出した方がよいこともあります。
- 笑い
ジョークやダジャレについては、多少内容を変更する必要があったとしても、翻訳でも面白く感じられるように訳出しましょう。
笑いが起きている理由が視聴者に伝わらないのは避けたいものです。
その分野やトピック特有の定訳、固有名詞、一般的な表現を調べたか?
用語や固有名詞(人名や作品名含む)に日本語の定訳があるかどうか、その分野の日本語文献・用語集で調べ、既存の訳を検討します。( FAQ | 名前表記の調べ方の例)
I started going to the chemistry department seminars at Columbia University. コロンビア大学で化学科のセミナーに参加するようになりました ↓ コロンビア大学で化学科のゼミに参加するようになりました 日本の大学では「ゼミ」という表現が一般的で、「セミナー」というと主に一般向けの講習会を連想してしまいます。
Many of the indigenous languages are becoming extinct. アルク等の英和では「現地語」と訳されていますが、先住民族がテーマのトークでは「先住民族の言語」になります。
逆に、分野独特の用語や表現、いわゆるジャーゴンは、一般的な日本語として普及しているかどうか、一般視聴者が違う意味に受け取ってしまう可能性がないか、訳出に注意が必要です。
医療用語では specific が「特異的な(そのものだけが持つ特徴的な)」の意味で使われることがある。医療関係者以外には「特異な」のもつ一般的な意味「普通と異なる。変わっている」という意味に誤読される可能性が高い。
原文の字幕の分け方につられて、構文を読み違えていないか?
字幕ごとにぶつ切りで訳していくのではなく、1つの文として意味を読み取ってから訳すと誤訳を防げます。
原文 | 修正前 | 修正後 | |
---|---|---|---|
1 | You have to be tough, | 強い人間でなければなりません | 強い人間でなければなりません |
2 | tough enough to deal with people throwing things at you | 物を投げつけてくる人々に対処しなければなりません | 白人ラッパーとして登壇した自分に物を投げつけてくる人に対処できるくらい |
3 | as you take the stage as a white rapper, to deal with losing friends | 白人ラッパーとして登壇することで友達をなくすこともあります | そして 自分が何者で 何の仕事をしているか知った友達を失うことにも |
4 | after they find out who you are and what you do for a living. | その後彼らはあなたが何者で何の仕事をしているか知るのです | 耐えられるくらいタフな人間でないといけません |
雰囲気や思い込み優先になっていないか、脚色が過ぎていないか?
単語から得られるイメージだけでふんわり訳さず原文を正確に読み込みましょう。原文で語られている以上の情報をむやみに付け加えないようにしましょう。
students who were betting on sequences of dice rolls サイコロ賭博をする学生 ↓ 一続きのサイコロの目を当てる学生 ギャンブルに興じる学生のイメージが最初に頭に浮かび、「サイコロ賭博をする学生」という思い込みが形成されてしまったが、統計学を学ぶ学生の話として訂正。
多義語や曖昧な表現について、文脈に即した語義や意味と異なる訳出をしていないか?
1つの語義で慣れ親しんでいる単語が、別の語義で使われていることはよくあります。英英辞典をあたって、文脈と用例から正しい意味を特定しましょう。
The chance of drawing one of the four aces from a standard deck of 52 cards is 8 percent。 トランプのカード52枚から、4枚あるエースを引くチャンスは8%です。 ↓ トランプのカード52枚から、4枚あるエースを引く確率は8%です。 「chance = 確率」は辞書の片隅にしかない訳語なのでとても誤訳が多い。自然科学の文では頻出する用法です。
話の展開、文脈に沿って理解できているか?
トークやビデオにはテーマや起承転結、ストーリーがあります。文や字幕を単体のみでとらえると、文脈や背景に沿わない誤訳になることがよくあります。 順接、逆接などの展開を間違えないようにしましょう。
And it was their works in turn that inspired the local community to join the movement. 彼らの出した成果が今度は、地域住民に刺激を与え、運動への参加を促しました。 行動の連鎖を語る話の展開があるため in turn を「徐々に」とせず「今度は」と訳出した例。
単語の置き換えやカタカナ語で本当に伝わるか?
単語を逐一置き換えただけ、カタカナにしただけでは内実が伝わらないことがあります。特に複合名詞(1つめの例)を訳すときや、カタカナの新語・業界用語の安易な使用には気を付けてください。「一般視聴者が置いてけぼりにならないだろうか」という視点を持ち、かみ砕いて訳す、普及している和語で同じ意味の表現を探すなどしましょう。
social and emotional education program 社会的で感情的な教育プログラム ↓ 社会性と情動を育てる教育プログラム
raise local ownership ローカルオーナーシップを高める ↓ 現地社会の関与比重を高める
feed kids with candy, as opposed to nutritious food, 栄養のある食べ物ではなくキャンディを子供に与える ↓ 栄養のある食べ物ではなく甘いお菓子を子供に与える カタカナ語の「キャンディ」は砂糖菓子のアメを指しますが、英語のcandyはもっと意味の範囲が広いので、そのまま「キャンディ」とカタカナ化すると意味がずれるため。
日本語の文として自然な口語になっているか
直訳をして不自然な日本語になっていないか?
日本語話者が同じ内容を伝えるのに別の言い方をしないかどうか考えてみてください。その訳文は自然な日本語になっていますか? 深く考えずに英語の語順をそのまま踏襲して日本語らしくない文になっていませんか? スピーカーがもし日本で生まれ育った人だったらどういう言い方をするだろうか?と想像しながら訳しましょう。
日本語の文として成り立つか、文法の誤りはないか?
「てにをは」が間違っていたり、主語・述語が噛み合わない文が残っていないか、文単位で区切って見直しましょう。
ここで重要なのは このアプリを家計簿としても 役立てることができます ↓ ここで重要なのは このアプリを家計簿としても 役立てられることです 「重要なのは」と始まったら、名詞形で終わらせないとおかしな響きになります。
不要な語まで逐一訳出してはいないか?
代名詞などを一語一語訳出すると、くどく聞こえたり、場合によっては誤解を招くこともあります。また英語ならではの数量表現 (a group ofなど)は訳す必要がない場合もあります。
When my mother arrived in the USA, he only knew two words. 母がアメリカに着いたとき 彼女はふたつの単語しか知らなかった ↓ 母はアメリカに着いたとき ふたつの単語しか知らなかった 誤解の余地が少ないのはどちらでしょうか。恋人という意味の「彼女」など、母親とは別の女性の話だと解釈してしまう可能性も考慮します。
誤解を招かない、明確な文になっているか?
係り先があいまいで意味が何通りにも取れる訳文は視聴者の負担になります。
ただの独り言を言っている負け犬 ↓ 独り言を言っている ただの負け犬 「ただの」が修飾する先が「負け犬」なのか「独り言」なのかが曖昧にならない処理。
字幕の内容やタイミングが映像と合っているか
日本語の語順は英語と逆になることが多いので、訳し上げるしかないこともありますが、スピーカーのジェスチャーやスライドと字幕の内容が関連している場合は、発話のタイミングと同時に訳を表示するように工夫してください。
- スプレッドシートを使って翻訳・レビューした字幕は、Amara にアップロード後、必ず映像と合わせてチェックしてください。。
- ヒント:映像に合わせた字幕の作り方を Amaraエディタ上で実演したビデオ
- (2020年5月開催翻訳オンラインワークショップより)
提出するその前に
ガイドラインの各項目に沿っているか、訳が原文の情報・演者の意図を正確に表現しているか、分かりにくい日本語表現はないか、字幕の内容やタイミングが映像と合っているか、必ず見直しましょう。
レビュー中のヒント
このように、1行1行について様々な視点から検討し、改善案を出す必要がありますので、レビュー作業には、翻訳作業と同じくらい時間がかかることもあります。高品質の字幕を仕上げる責任は、翻訳者と等しく、レビュアーにもあるのです。 常に、字幕を仕上げた先には視聴者がいることを念頭に置いてレビューしましょう。原語を理解しない視聴者は、字幕だけが頼りです。日本語字幕だけを読んだときに、原語のまま聴いている現地の観客や、原語がわかる自分と同じ体験ができることが目標です。
翻訳者もレビュアーも両方がクレジットされますので、対等に議論し、双方が納得している必要があります。レビュアーとして名前がクレジットされるにあたって恥ずかしくない訳を送り出したいものです。
- 意味のあるコメントを残す
- 一見して変更の理由が相手に理解しにくそうな提案や、典拠を示すことで説明がつく場合は説明してあげてください。「ABCに変えました」のように、見ればわかることを書くのではなく、「接続詞が入らないと唐突に聞こえる」など、相手の役に立つ具体的なフィードバックを入れてあげましょう。なぜそう変えたのか、元訳のどこがまずかったのか、読む人に親切なコメントを書きましょう。
- 根拠を示す
- 語義や定訳が載っているサイトへのリンクや、同じ分野での修正された表現の実際の使用例など、相手が納得できるソース情報を残してあげましょう。
- 翻訳者自身の貢献を促す
- 特に始めたばかりの翻訳者や自信がない翻訳者は、レビュアーにお任せ状態になってしまうこともあります。また、レビュアーに直されたら受け入れなければいけないような気がしてしまう人もいるかもしれませんので、言葉にしてはっきりと相手の参加を促してあげてください。
- ポジティブなコメントをする
- レビューのコメントは総じて間違いやまずい訳に終始してしまうものです。気が利いた表現、日本語にしにくい言葉を上手に訳しているなど、いいところを見つけてポジティブなフィードバックをしてあげてください。レビュアーが思う以上に翻訳者にとって励みになります。
- 協力的な姿勢で取り組む
- 翻訳の正解は1つではないことがほとんどです。「この訳は不自然だ」VS「私は違和感ない」と押し問答になっては協働作業が成立しません。ただ自分の主張を通そうとするのでも、逆に自分だけが我慢するのでもなく、建設的な議論をしてください。語感には個人差がありますので、お互いの感覚を認め合って、二人とも納得できる答えを探しましょう。行き詰まったときは、原語・日本語両方で検索し直し、原文を読み直すことで理解が深まり、満足できる訳が見つかることもよくあります。
- 双方納得できる訳が見つからない場合
行き詰まったときは、お互い同意のうえで、Japanese TED Translators フェイスブックグループに訳語の相談をしてもいいかもしれません。 どうしても落としどころが見つからない部分が残ってしまったら、承認ステップに申し送りをしましょう。 タスクが自動承認対象である場合、「第三者レビュー」や「承認レビュー」を依頼することができます。 万一、翻訳者との折り合いがつかないなど、困ったときは LC@ted-ja.com までご相談ください。