Difference between revisions of "JapaneseToEnglish"
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'''TED日英翻訳ガイド''' | '''TED日英翻訳ガイド''' | ||
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=== 日英翻訳に取り組む前にお読みください === | === 日英翻訳に取り組む前にお読みください === | ||
− | + | 翻訳担当者にはスピーカーの意図を「広める価値のあるアイデア」として正確に伝える責任があります。(参考: [http://translations.ted.org/wiki/How_to_Tackle_a_Translation How to tackle a translation]) 理想的には目標言語(翻訳先の言語)=翻訳担当者の最も得意な言語(通常は母語)です。例えば、日本語を母国語としない方が書いたとわかる文に、微かな違和感を覚えたことはないでしょうか。そして、読み続ける意欲が削がれたことはありませんか? 自分の母語に訳すほうがスムーズに作業が進み、意図されたアイデアが「伝わる」翻訳を実現しやすいものです。 | |
とはいえ、日本語に堪能な英語ネイティブ/ニアネイティブは希少であるため、TEDx の日英翻訳は、英語を外国語とする日本語ネイティブによる日英翻訳が主流になっています。それだけに訳者自身による十分なチェック・検討が必要ですし、何らかの形でネイティブのサポートが得られれば、翻訳の質は上がることが期待されます。 | とはいえ、日本語に堪能な英語ネイティブ/ニアネイティブは希少であるため、TEDx の日英翻訳は、英語を外国語とする日本語ネイティブによる日英翻訳が主流になっています。それだけに訳者自身による十分なチェック・検討が必要ですし、何らかの形でネイティブのサポートが得られれば、翻訳の質は上がることが期待されます。 | ||
− | + | 受動的な英語の理解力やリサーチ力が肝になる英日翻訳とは異なり、日英翻訳では、目標言語で的確に、そして原文の意味を自然な文で書く能動的なアウトプット力を要します。口語であるスピーチを英語話者が理解できる英語に翻訳するために適切なスキルが十分にあるかどうかは、「母国語に近いレベルの文が英語でも書けるかどうか」「自然な日常会話が不自由なくできるかどうか」を目安に判断してください。また、TEDx の日英翻訳をする上では、英語固有の字幕ルールを把握し、これに沿って必要であれば柔軟に英文を調整して字幕を作り上げる力も求められます。 | |
− | + | そうではない段階で英訳をすると、翻訳作業が苦痛になる、時間がかかり過ぎるだけでなく、レビューの段階で大量の修正が発生します。こうなると訳者本人がガイドラインに沿った英語字幕の体裁を習得することすらおぼつかず、レビューの修正のやり取りのたびに字幕の体裁も崩れていくといった事態にもなりかねません。 | |
− | + | ガイドラインに沿った自然な英文への修正を助ける責任を負うレビュアーや、最終チェックをする承認者など、後工程のボランティアの方の負担も増えることになります。このため、英語か体裁、または両方に不備が多い字幕は、レビューを敬遠されがちです。 | |
=== 日英翻訳のレビューについて === | === 日英翻訳のレビューについて === | ||
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=== 日英翻訳の承認について === | === 日英翻訳の承認について === | ||
− | 英語LC(ランゲージ・コーディネータ) | + | 英語LC(ランゲージ・コーディネータ)は過半数が非ネイティブです。承認作業は言語面のチェックよりも字幕ルールチェックが主になります。たとえネイティブLCが取ったとしても正確な翻訳・完璧な英語に直してもらえるということではありません。英語として不完全なものであっても、英語話者にはスピーカーの意図が誤って伝わってしまうような文でも、理解ができ、字幕の体裁に沿っていれば公開されることがあります。英語字幕に対する承認作業は、レビュアーの仕事内容チェックという側面が強く、日本語字幕のように「翻訳、レビュー、承認者の3人で字幕を作り上げる」というスタンスではありません。したがって承認基準に対してあまりにも品質が低い字幕は承認が却下されてレビュアーに差し戻されることもあります。 |
また、英語字幕については、LCの数に対して承認に上がってくる字幕数が桁違いに多いので、承認には時間がかかります。(2018年8月の時点で最大17ヶ月待ち) | また、英語字幕については、LCの数に対して承認に上がってくる字幕数が桁違いに多いので、承認には時間がかかります。(2018年8月の時点で最大17ヶ月待ち) | ||
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=== 英語字幕作成時の注意点 === | === 英語字幕作成時の注意点 === | ||
* 句読点を抜く日本語字幕と違い、英語字幕の句読点(punctuation)は入れてください。慣れるまでは、ガイドラインを参照しながらルールに沿った字幕作成を心がけてください。ガイドラインは、[http://translations.ted.org/wiki/How_to_Tackle_a_Transcript#Dividing_the_text_into_subtitles こちらの記事]に一通りリンクが張られています。 | * 句読点を抜く日本語字幕と違い、英語字幕の句読点(punctuation)は入れてください。慣れるまでは、ガイドラインを参照しながらルールに沿った字幕作成を心がけてください。ガイドラインは、[http://translations.ted.org/wiki/How_to_Tackle_a_Transcript#Dividing_the_text_into_subtitles こちらの記事]に一通りリンクが張られています。 | ||
− | * | + | * 日本語の字幕の切り方にとらわれず、英語字幕ルールに沿って分割・結合してください。字幕数を減らす場合、話している途中で字幕が消えることがないよう気をつけてください。 |
* 承認者や視聴者には音声と字幕の対応が分かりません。新しい文の開始と発言をぴったり合わせてください。通常は文字起こしの段階でシンクロされているはずですが、合わない部分があれば直してください。字幕を通してあまりにズレが激しい場合は、原文の日本語字幕の承認者に連絡してください。 | * 承認者や視聴者には音声と字幕の対応が分かりません。新しい文の開始と発言をぴったり合わせてください。通常は文字起こしの段階でシンクロされているはずですが、合わない部分があれば直してください。字幕を通してあまりにズレが激しい場合は、原文の日本語字幕の承認者に連絡してください。 | ||
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:'''説明文''' | :'''説明文''' | ||
− | : | + | :イベントオーガナイザーが入れている講演者紹介文はそのまま残しても構いませんが、1パラグラフを限度にしましょう。トークに関係ないイベントの説明も文字起こしの段階で削除しますが、残っている場合は承認者にご連絡ください。 |
:末尾のDisclaimer定型文: | :末尾のDisclaimer定型文: | ||
:'''This talk was given at a TEDx event using the TED conference format but independently organized by a local community. Learn more at http://ted.com/tedx''' | :'''This talk was given at a TEDx event using the TED conference format but independently organized by a local community. Learn more at http://ted.com/tedx''' | ||
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=== 英語スタイルガイド概要 === | === 英語スタイルガイド概要 === | ||
(参考:[http://translations.ted.org/wiki/English_Style_Guide English Style Guide]) | (参考:[http://translations.ted.org/wiki/English_Style_Guide English Style Guide]) | ||
− | * | + | * 1から9までは語として綴り(one, two…)、10以降は数字表記。thousands ofなどは綴る(参考:[https://translations.ted.com/English_Style_Guide#Numbers Numbers]) |
* 数字は3桁ごとに桁区切りを入れる(10万なら100,000) | * 数字は3桁ごとに桁区切りを入れる(10万なら100,000) | ||
* 題名は文の先頭のみを大文字とし(sentence case)、各単語を大文字で始めない(title case)。Amaraにアップロードされたものも必要があれば直す(良い例: Lesson from the fridge 悪い例: Lesson From The Fridge) | * 題名は文の先頭のみを大文字とし(sentence case)、各単語を大文字で始めない(title case)。Amaraにアップロードされたものも必要があれば直す(良い例: Lesson from the fridge 悪い例: Lesson From The Fridge) | ||
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</pre> | </pre> | ||
− | :''' | + | :'''片方の行がもう片方の50%以下''' |
<pre> | <pre> | ||
because I was rushed (20文字) | because I was rushed (20文字) | ||
Line 137: | Line 139: | ||
* 代名詞+続く節 (良い例: I call her up;/she responds 悪い例: I call her up; she/responds) | * 代名詞+続く節 (良い例: I call her up;/she responds 悪い例: I call her up; she/responds) | ||
* 前置詞+続く名詞節 (良い例: My girlfriend came/to my work 悪い例: My girlfriend came to/my work) | * 前置詞+続く名詞節 (良い例: My girlfriend came/to my work 悪い例: My girlfriend came to/my work) | ||
− | * ただし、名詞と前置詞が入れ替わっている場合(例: I figured it out/yesterday) | + | * ただし、名詞と前置詞が入れ替わっている場合(例: I figured it out/yesterday)や、句動詞(come togetherなど)の場合は前置詞の後で切って良い(例: My girlfriend slept over/at her parents’ place) |
* 可能であれば、限定詞の後では切らない: 形容詞(aweful)、数詞(three [people])、指示形容詞(this [chair]), 所有格(hisやthe dog's), 数量詞 (some, any, every, a lot of) | * 可能であれば、限定詞の後では切らない: 形容詞(aweful)、数詞(three [people])、指示形容詞(this [chair]), 所有格(hisやthe dog's), 数量詞 (some, any, every, a lot of) | ||
* 可能であれば、[https://en.wikipedia.org/wiki/Auxiliary_verb 助動詞]と動詞を[http://translations.ted.org/wiki/English_Style_Guide#Examples_of_correct_line-breaks 分けない] | * 可能であれば、[https://en.wikipedia.org/wiki/Auxiliary_verb 助動詞]と動詞を[http://translations.ted.org/wiki/English_Style_Guide#Examples_of_correct_line-breaks 分けない] | ||
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日本語のページ一覧を 「テンプレート」として作成し、各ページに埋めています。 | 日本語のページ一覧を 「テンプレート」として作成し、各ページに埋めています。 |
Latest revision as of 02:06, 18 August 2019
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